令和6年度 公立能登総合病院 病院指標

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 154 96 85 99 153 304 528 1335 1123 438

※2024年度に当院をDPC評価の対象として退院された患者さんを10歳ごとに集計したものです。

当院は総合病院として地域連携に積極的に取り組み、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
全体でみると地域高齢化の影響で60歳以上の患者さんの受診が多く、全体の約80%を占めています。
また、当院は周産期医療・小児医療にも積極的に取り組み、10歳未満の患者さんの割合も高くなっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 111 8.57 8.88 2.70% 79.66
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし 90 28.73 20.78 5.56% 83.94
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2:なし 57 19.44 16.40 3.51% 85.46
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 38 15.76 13.66 2.63% 80.58
100380xxxxxxxx 体液量減少症 33 14.94 10.26 0.00% 81.00

 内科で最も多い症例は、胆管炎・胆のう炎の症例です。内科では抗菌薬の投与や、内視鏡を用いて胆管につまった胆石を取り除く治療等が行われます。
2番目に多いのは、誤嚥性肺炎です。特に高齢の患者さんが多く、重症化しやすいため、20日以上の入院となることが多いです。
腎・尿路などの感染症や脱水症のほか、早期胃癌に対する内視鏡を用いた手術症例も多い傾向です。


循環器内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 重症度:他の病院・診療所の病棟からの転院以外 85 25.06 17.33 4.71% 85.71
050050xx9913xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:3あり 48 4.21 6.12 10.42% 71.35
050030xx03030x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1あり 手術・処置等2:3あり 副傷病:なし 29 16.14 14.30 0.00% 73.21
050130xx9902xx 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:2あり 29 20.24 23.96 6.90% 81.59
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1:なし、1,3あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 28 15.89 9.59 0.00% 82.71

 循環器内科で最も多い症例は心不全です。薬物療法やリハビリ療法など行います。また、原因となった疾患の検査・治療も行うことがあります。
次いで多い症例は、狭心症で検査目的の入院です。診断や治療後の経過観察のための心臓カテーテル検査や核医学検査を行います。
また、狭心症や急性心筋梗塞では、カテーテルを使った血管内手術を行う症例も多くあります。
徐脈性不整脈で手術ありの症例は、ペースメーカーの植込み術を行う症例です。


小児科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 23 4.30 6.22 0.00% 2.35
150040xxxxx0xx 熱性けいれん   手術・処置等2:なし 17 2.71 3.51 0.00% 2.35
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2:なし 12 4.08 5.61 0.00% 6.25
040100xxxxx00x 喘息   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 10 5.10 6.38 0.00% 6.70
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎   手術・処置等2:なし 10 2.50 5.55 0.00% 7.70

 小児科では急性気管支炎や肺炎、喘息などの呼吸器系の症例が多くなっております。
また、熱性けいれんやウイルス性腸炎も比較的多い症例です。


外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 59 6.12 4.54 0.00% 71.92
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり 37 4.57 4.64 0.00% 74.68
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術あり 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 35 15.29 14.13 11.43% 79.17
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 32 6.53 5.32 0.00% 39.22
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 28 8.75 7.05 0.00% 71.04

 外科で多い症例は鼠経ヘルニアの手術症例です。
次いで、結腸の悪性腫瘍への抗がん剤を用いた化学療法の症例や腸閉塞の手術症例などが続きます。
胆嚢疾患や鼠経ヘルニア、虫垂炎などに対して腹腔鏡を用いた手術を行っております。腹腔鏡下手術は、腹壁の数カ所に小切開を加え、そこから観察用のスコープや手術器械を体腔内に入れて手術を行う方法です。開腹手術に比べて傷が小さいため、術後の回復が早く、入院期間も短く済む利点があります。


整形外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070370xx97xxxx 骨粗鬆症 その他の手術あり 55 42.51 22.11 14.55% 82.25
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 28 7.11 5.95 0.00% 71.71
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 26 25.46 21.38 0.00% 73.19
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 17 24.24 18.76 0.00% 70.00
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア 椎間板摘出術 後方摘出術 17 17.24 13.83 0.00% 60.76

 整形外科で最も多い症例は骨粗しょう症に伴う骨折症例です。加齢や骨粗しょう症など、骨がもろくなる状況が重なると大腿骨近位部の骨折を発症しやすくなります。高齢者に多く、転倒をきっかけとして骨折が生じる場合が多いです。大腿骨近位部の骨折は手術を要する症例となっています。
変形性膝関節症、前腕骨折、椎間板ヘルニアに対する手術症例も多いです。


脳神経外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞(保存的加療、発症前自立) 67 20.72 16.89 29.85% 77.79
160100xx97x00x 頭蓋内出血(手術あり、外傷性) 33 19.15 9.83 12.12% 72.09
010230xx99x00x てんかん(保存的加療) 25 6.36 6.89 4.00% 62.04
010040x099000x 頭蓋内出血(手術なし、非外傷性) 24 30.58 18.68 62.50% 71.13
160100xx99x00x 頭部外傷(保存的加療) 23 16.70 7.99 13.04% 73.26

 脳神経外科のDPCでの入院件数は脳梗塞(保存的加療、発症前自立)、頭蓋内出血(手術あり、外傷性)、てんかん(保存的加療)、頭蓋内出血(手術なし、非外傷性)、頭部外傷(保存的加療)の順です。脳卒中病型別の入院件数は、脳梗塞(141件)、脳出血(59件)、くも膜下出血(21件)となっています。


産婦人科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 29 9.76 9.40 0.00% 33.00
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 12 9.50 9.20 0.00% 50.25
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 9.74
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 7.74
120140xxxxxxxx 流産 2.44

 産婦人科で多い症例は、胎児及び胎児付属物の異常です。この子宮全摘術等に該当する手術のほとんどが帝王切開術による分娩です。帝王切開を行った経験のある患者さんが、再度帝王切開をする場合等も含まれています。
その他、子宮・卵巣の腫瘍に対する手術症例や妊娠の合併症の症例となっております。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


耳鼻いんこう科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 40 7.13 5.84 0.00% 59.28
030440xx02xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓膜形成手術 14 3.64 3.37 0.00% 68.57
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 11 8.64 7.35 0.00% 25.27
030428xxxxx0xx 突発性難聴 手術・処置等2なし 8.21
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 8.27

 耳鼻いんこう科で多い症例は慢性副鼻腔炎に対する手術症例です。
次いで多い症例が、慢性化膿性中耳炎に対する手術症例や扁桃炎です。扁桃炎の治療は主に抗生剤を投与し炎症を抑えます。症状が悪化すると、扁桃周囲膿瘍になることがあります。排膿のため、扁桃周囲膿瘍切開術を行う症例もあります。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


皮膚科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症   手術・処置等1:なし 23 11.00 12.98 0.00% 71.26
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.33
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)   手術・処置等2:なし 副傷病:なし 3.58
080090xxxxxxxx 紅斑症 9.93
080190xxxxxxxx 脱毛症 3.29

 皮膚科で多いのは膿皮症です。主に細菌感染による蜂窩織炎で、高熱を伴ったり、外来治療では十分な治療を行えない重症患者の入院治療を行っています。
次いで多いのが、帯状疱疹、マムシ咬傷や蜂刺され等の症例となっています。
帯状疱疹は痛みを伴う紅斑や水泡を症状とする疾患です。早期診断、早期治療を行わないと潰瘍となり、瘢痕を残したり疱疹後神経痛が持続する可能性が高くなります。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


泌尿器科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2:なし 64 9.09 6.81 1.56% 77.97
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病:なし 58 8.12 5.16 1.72% 62.91
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 25 8.28 7.77 0.00% 74.88
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 23 12.39 11.11 0.00% 74.04
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病:なし 22 11.91 7.30 4.55% 66.09

 泌尿器科のDPCで多い症例は手術を行った膀胱癌で、手術としては尿道から内視鏡を挿入して電気メスで腫瘍を切除します。
2番目に多いのは内視鏡手術を行った上部尿管結石で、尿管または腎臓の結石を破砕し、取り除きます。
次いで多いのが、前立腺肥大症に対する内視鏡手術症例や前立腺の悪性腫瘍に対する手術症例、腎・尿路の感染症となっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 33 10 18 13 1 8
大腸癌 14 14 78 91 22 1 8
乳癌 1 8
肺癌 1 8
肝癌 11 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

3.初発の5大癌のUICC病期分類ならびに再発患者数
※5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者さんの数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。

がんの治療は内視鏡・腹腔鏡・胸腔鏡をはじめとする低侵襲治療から開腹手術、抗がん剤治療、放射線治療など多岐にわたっています。
抗がん剤治療では短期入院を繰り返す例も多く、初回治療ならばその入院回数が全て初発に計上しています。
当院は近隣の医療機関と密接な連携を保ちつつ、石川県地域がん診療連携協力病院として社会へ貢献することを通して、
患者さんが安心して治療を受けられるよう、スタッフ一丸となって診療に当たっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 75 23.43 78.76
重症 22 27.86 84.23
超重症
不明

※成人の市中肺炎につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示したものです。
重症度分類は、A-DROPスコアを用いており、
軽症~超重症の4段階で表記し、重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。A-DROPスコアについて
Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水): BUN 21mg/dL以上または脱水あり
Respiration(呼吸状態): SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
Orientation(意識障害): 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧): 収縮期血圧90 mmHg以下当院では中等症の症例が最も多く、全体の約75%を占めています。
また、高齢者肺炎症例が多く、特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者さんは繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。
高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗生剤の使用のみでなく、酸素投与などの支持療法も大切となります。
また、施設入所中に肺炎に罹患し入院となる患者さんも多くなっています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 161 28.41 79.71 35.06%
その他 13 21.08 77.15 2.30%

※脳梗塞の発症日別に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示したものです。脳梗塞は国際統計分類(ICD‐10)では、I63$に分類されます。

発症して早期に入院される患者さんがほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の約9割と高率になっています。
平均年齢は約78歳で、高齢者の方が多くなっています。
当院は急性期に行われる血栓溶解療法や血栓回収療法が行える能登中部医療圏唯一の脳卒中学会認定一次脳卒中センターです。
当院で急性期治療の対応をした後、回復期の施設へ転院する症例も多くあります。
能登北部医療圏も含めた能登脳卒中地域連携クリニカルパスを有効に運用し、病診連携を進めています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 79 1.70 13.20 10.13% 81.59
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 34 1.32 4.59 5.88% 75.29
K654 内視鏡的消化管止血術 32 2.13 17.06 6.25% 77.00
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 28 0.29 5.50 0.00% 75.39
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 25 0.00 1.60 0.00% 70.32

 内科(消化器内科)では、内視鏡的胆道ステント留置術が最も多くなっています。この手術は、腫瘍等により閉塞した胆道に内視鏡を用いてステントを挿入し、うっ滞した胆汁を流すためのものです。
次いで多いのが、内視鏡的乳頭切開術です。この手術では、内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部にナイフを挿入し、高周波(電気メス)を用いて切開します。胆道が閉塞して起こる黄疸を軽減させるために行います。
また、内視鏡的消化管止血術や早期癌に対して行われる内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術も多く行われています。


循環器内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 28 2.89 3.36 0.00% 71.86
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 25 0.00 14.72 0.00% 71.68
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 20 3.05 3.05 0.00% 74.70
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 18 4.94 10.72 0.00% 82.56
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 12 1.17 3.75 0.00% 73.75

 循環器内科では、冠動脈疾患に対し、経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術を行っており、急性心筋梗塞に対しては緊急で対応しています。
また、四肢の動脈(主に下肢動脈)の狭窄・閉塞病変に対しても血管拡張・血栓除去術を行っています。
徐脈性不整脈に対してはペースメーカー移植術も行っています(他科入院中に行っている場合もあり、実際には上記の数字より多く施行しています)。


外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 49 0.78 6.27 0.00% 67.92
K6335 鼠径ヘルニア手術 30 1.30 4.63 0.00% 74.23
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 30 0.20 5.27 0.00% 38.90
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 29 1.00 3.97 0.00% 69.76
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 16 2.94 13.31 0.00% 74.63

 外科では胆嚢結石症等に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が多く施行されています。
また、虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術、結腸癌に対する腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術など、当院ではより侵襲性の少ない腹腔鏡を用いた手術を多く行っています。
鼠径ヘルニアの手術も多く行われています。鼠径ヘルニアは一般的に「脱腸」とよばれるものです。腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニア手術にも対応しており、件数が増えてきています。


整形外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 69 2.81 34.97 14.49% 76.41
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿・手舟状骨) 47 1.98 12.47 0.00% 71.85
K0821 人工関節置換術(膝・股) 43 2.70 23.40 0.00% 71.28
K0811 人工骨頭挿入術(股) 22 4.50 37.09 4.55% 82.00
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 19 1.11 21.11 0.00% 76.74

 整形外科で最も多い手術は、骨折観血的手術です。この手術は骨折部位の骨接合を行う手術となっています。中でも高齢者に多い大腿骨の症例数が多くなっています。
また、股の人工骨頭挿入術や膝の人工関節置換術も多くなっています。膝の手術は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節を、人工関節で入れ替え、歩行能力の改善を図るものです。
整形外科では、全身麻酔による手術件数が当院にて最も多くなっています。


脳神経外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 29 1.07 15.38 10.35% 75.62
K178-4 経皮的脳血栓回収術 24 0.42 35.29 58.33% 81.83
K1781 脳血管内手術(1箇所) 12 0.00 50.42 41.67% 70.00
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)

 脳神経外科の手術件数は、経皮的脳血栓回収術や脳血管内手術といった脳血管内治療が最も多く、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が続きます。
頚動脈狭窄症に対しては、ステント留置術または頚動脈内膜剥離術を行っています。脳動脈瘤に対しても、血管内治療・開頭治療を適切に判断して行っています。
当院は脳卒中学会認定一次脳卒中治療センターとして、能登地区での脳神経系緊急疾患の治療に中心的な役割を果たしています。
また高齢者の疾患である特発性正常圧水頭症についても、積極的に治療を行っています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


産婦人科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 28 4.18 7.46 0.00% 32.39
K877 子宮全摘術 15 0.93 7.20 0.00% 54.33
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 11 2.09 8.18 0.00% 32.55
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹)
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡)

 産婦人科で多い手術は、選択帝王切開術です。帝王切開の既往がある場合は実施することがほとんどです。
緊急帝王切開は経膣分娩中に母児の状態が、悪化や分娩停止した場合など、経膣分娩が継続できないと判断した場合に実施します。
次いで、子宮筋腫・子宮癌等に対する子宮全摘術となっています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


耳鼻いんこう科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 24 1.00 5.04 0.00% 61.17
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 20 1.00 6.60 0.00% 28.80
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 17 1.00 5.29 0.00% 59.53
K318 鼓膜形成手術 16 1.00 1.56 0.00% 70.75
K368 扁桃周囲膿瘍切開術

 耳鼻いんこう科で多い手術は、内視鏡下鼻・副鼻腔手術です。主に慢性副鼻腔炎の治療法として行います。投薬治療などで症状が改善しないときは、手術で副鼻腔の病変を除去、開放します。
口蓋扁桃摘出術は扁桃肥大・慢性扁桃炎等に対して行われ、若年層が多くなっています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。


泌尿器科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 65 1.62 6.49 1.54% 77.85
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 58 1.41 5.79 1.72% 62.90
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 35 3.00 13.60 11.43% 71.11
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 23 1.43 6.04 0.00% 73.96
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 23 1.00 10.39 0.00% 74.04

 泌尿器科で最も多い手術は、膀胱癌に対する内視鏡手術です。
次いで多いのは、腎結石や尿管結石、尿管狭窄による水腎症の治療となる経尿道的尿路結石除去術、経尿道的尿管ステント留置術で、前立腺肥大症に対する手術が続きます。
前立線の悪性腫瘍に対しては、ロボット支援による腹腔鏡下前立腺全摘徐術を行っており、より尿の漏れが少なく、がんの取り残しの少ない質の高い手術となっております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 24 0.62%
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 14 0.36%
異なる

※ 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべき病名について、
入院契機となった病名との同一性の有無を区別して、患者数と発症率を示しました。
発生率は、全退院患者数に対する発生率を示しています。
症例数が10未満のものは「-」と表示しています。播種性血管内凝固症候群
入院後に発症している症例が多く、感染症が重症化するケースや基礎疾患が影響しているケースが多いと考えられます。手術・処置の合併症
透析シャントに関連した手術・処置の合併症を主訴とした入院が多くありました。
合併症はどのような術式でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
また、当院は、手術や処置などを行う際には合併症を起こさないように細心の注意を払っています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
639 581 90.92%

 周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、肺血栓塞栓症の発生率を下げることにつながります。
当院では血栓を予防する目的で、術後の早期離床、弾性ストッキングの着用、抗凝固薬の投与などが行われています。肺血栓塞栓症とは、
血栓(血のかたまり)などが肺動脈につまった状態を肺血栓塞栓症といいます。生命にかかわることもある危険な病気です。

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1283 518 40.37%

 血液培養検査は、血液中に存在する病原菌を検出するための検査です。1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セットで行うことが診療ガイドラインにより推奨されています。
小児や新生児に対しては、採血に係る身体的な負担を考慮し1セット採取としているため、2セット実施率が低くなる傾向にあります。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
355 256 72.11%

 広域スペクトルの抗菌薬は、多くの種類の細菌に対して効果を発揮する抗生物質です。これにより、感染症の原因となる細菌を迅速に抑えることができます。しかし、これらの薬をむやみに使用し続けると、耐性菌が増え、治療する選択の幅が少なくなります。
抗菌薬を適正に使用するためには、細菌培養検査を行い、どのような細菌が原因であるのかを調べることが重要です。広域抗菌薬を開始する前にどの程度細菌培養検査が提出されているかを調べることで、抗菌薬が適正に使用されているかを評価します。

転倒・転落発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
65020 146 2.25‰

 入院時(原則、すべての入院患者)に転倒・転落のリスク評価を行い、リスクが高い場合、ベッドの高さ調節、離床センサー、緩衝マット使用などの対策を行っています。また、状態の変化時や一定期間後に再度リスク評価を行い転倒・転落防止に努めています。
転倒・転落防止のために安易な身体拘束を行わないよう、2022年度からセル看護方式を順次導入し近くで見守る体制に変更しています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
65020 2 0.03‰

 患者の自立を妨げないように、行動を制限しないようなケアを心がけています。
3b以上の2例は転倒による骨折となっています。転倒・転落は完全に防ぎきれないものですが、骨折に至らない環境を整えていくことが課題と考えます。
引き続き、病状・状況に応じた安全対策を講じます。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1071 1061 99.07%

 術前の抗菌薬投与は、手術中に発生する細菌汚染に対して、免疫システムがコントロールできるレベルに細菌の量を減らすことを目的とした予防的な処置です。主な目的は手術部位の感染症を予防することであり、皮膚に常在する菌などを対象に、手術開始前に十分な血中濃度を確保することで細菌の増殖を抑え、感染のリスクを低減させます。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
51423 15 0.03%

 皮膚・排泄ケア認定看護師による、適切な褥瘡発生予防・治療によって早期発見及び重症化予防のための総合的な褥瘡管理対策を行っています。
また、多職種による回診やカンファレンスによるケア・治療方針の協議など、褥瘡対策チームでの活動も積極的に行っています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3058 2823 92.32%

 栄養アセスメントとは、患者の栄養状態を身体計測、臨床検査、栄養歴、食事歴、身体所見、体組成分析など多角的な情報から総合的に評価・判定することです。この評価に基づき、低栄養や過栄養などの問題点を明らかにし、最適な栄養療法や食事計画を立案します。

身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
65020 733 1.13%

 身体拘束の基準は、身体拘束ガイドラインに基づき整備しており切迫性・非代替性・一時性の三原則を踏まえて必要最低限で実施しています。
実施時は医師および看護師により必要性を評価・検討し、必要性、リスク、抑制方法について説明・同意を得て実施しています。
身体拘束実施中は定期的な観察や毎日のカンファレンスを行い軽減・解除に向けて取り組んでいます。また、定期的に認知症サポートチームの行動制限最小化チームがラウンド・カンファレンスを実施し、解除に向けた取り組みを行っています。

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