平成27年度 公立能登総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 585 206 107 211 266 384 1160 1458 1531 359

 当院は総合病院として地域連携に取り組み、質の高い医療を幅広い年齢層の患者様に提供しております。
全体でみると地域高齢化の影響で60歳以上の患者様の頻度が多く、全体の約72%を占めています。
 また、当院は周産期医療・小児医療にも積極的に取り組み、10歳未満の患者様の割合も高くなっております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード

■内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 150 20.00 14.34 2.67% 77.32
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 125 34.42 21.69 12.80% 86.01
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし 50 15.34 12.6 2.00% 77.46

 内科では「肺炎」の症例が最も多くなっております。
特に高齢の患者様が多く、重症化しやすいため、2週間以上の入院となることが多いです。
次いで「誤嚥性肺炎」が多く、平均年齢は80歳を超えています。
3番目に多いのは「腎炎・尿路感染症」の症例です。

 

■循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99130x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 587 4.900 5.95 0.34% 72.06
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 76 43.50 18.30 9.21% 85.29
050130xx99020x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 66 34.94 26.02 3.03% 79.27

 循環器内科の最も多い診断群分類は「狭心症」で、治療前・治療後の心臓カテーテル検査のための入院で、心筋梗塞の治療後の症例も含まれております。
2・3番目に多い症例は心不全の治療目的入院が多くあり、上位3疾患で循環器内科の約6割を占めております。

 

■小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 138 4.09 5.72 0.00% 1.88
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 56 3.77 6.31 0.00% 4.38
030270xxxxxxxx 上気道炎 33 3.39 4.83 0.00% 2.33

 小児科では「肺炎や、急性気管支炎」などの呼吸器感染の症例が多くなっております。とくに冬季には入院が増加します。

 

■外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 39 13.31 9.17 0.00% 74.51
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし  手術・処置等3あり 副傷病なし 28 3.86 6.67 0.00% 63.36
060035xx99x50x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等5あり 副傷病なし 27 3.07 4.53 0.00% 82.30

 外科で最も多いのは「ヘルニア」手術目的の入院ですが、DPC対象症例ではないため、上記の表には示されていません。
次いで多いのが「腸閉塞」の症例です。腸閉塞は、腸の一部が狭くなったり、腸の動きが悪くなることで内容物がつまり、お腹がはって痛みが出たり、吐き気が起きたりする病気です。
2番目と3番目の症例は、それぞれ「胃癌」と「大腸癌」に対し化学療法を行った症例です。化学療法目的の入院は短期間で繰り返し入院する事が多いため、症例数が多くなっています。

 

■整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術あり 肩、股等 76 48.29 28.70 25.00% 81.53
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 48 30.08 21.52 6.25% 82.77
070343xx99x20x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 37 4.46 6.70 0.00% 70.14

 整形外科で多い診断群分類は「大腿骨近位端骨折」次いで「脊椎圧迫骨折」が多くあり高齢化に伴う骨粗鬆症の影響が考えられます。
「大腿骨近位端骨折」では手術を要する症例となっております。3番目に多い症例は「脊柱管狭窄」で症状緩和目的の入院が多くあります。

 

■形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病 なし 10 3.60 6.14 0.00% 45.70
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2なし
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし

 内臓疾患は外科が手術、骨折は整形外科が手術を行っていると考えると、形成外科は皮膚の手術をしている診療科です。
粉瘤・脂肪腫などの「皮膚良性腫瘍」切除目的の入院症例が最も多くなっております。
その他に、「熱傷」の症例や、「眼瞼下垂症」に対し手術を行う症例が多くなっています。

 

■脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等3あり 副傷病なし 53 27.42 18.08 28.30% 74.06
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 30.32 19.32 59.09% 71.23
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等  手術・処置等2なし 副傷病 なし 16 27.81 11.91 12.50% 77.13

 脳神経外科では「脳梗塞」次に「脳内出血」の症例が多くあります。急性期の治療後は近隣の病院と連携し継続し治療を行っているため転院率が高くなっております。3番目の「慢性硬膜下血腫」に対し手術を行う症例が多くなっています。

 

■産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 22 10.14 9.94 0.00% 33.41
120140xxxxxxxx 流産 15 1.33 2.34 0.00% 33.20
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 14 10.29 10.18 0.00% 46.71

 産婦人科で最も多い症例には、帝王切開を行った経験のある患者様が再度帝王切開をする場合等が含まれています。
2番目の流産は、妊娠の10~15%がなるとされ、決してまれではありません。
3番目は、子宮平滑筋腫等で子宮全摘術を行った症例となっています。

 

■眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020370xx99xxxx 視神経の疾患 手術なし
160250xx99xxxx 眼損傷 手術なし
020220xx99xxxx 緑内障 手術なし

 

■耳鼻いんこう科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 29 5.07 5.53 0.00% 41.69
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 23 7.17 5.31 0.00% 70.39
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 14 8.71 8.20 0.00% 12.21

 耳鼻いんこう科で最も多いのは、「扁桃炎」に対し抗生剤を投与し炎症を抑える目的での入院です。
2番目の前庭機能障害は、いわゆる「めまい」です。メニエール病、前庭神経炎等が含まれています。
3番目は「扁桃・アデノイドの肥大」で、患者層は若年者が多く、平均年齢も低くなっています。

 

■神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等3あり 副傷病なし 26 29.46 18.08 3.85% 75.31
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 26.41 21.49 11.76 76.35
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 35.09 15.80 27.27% 71.00

 神経内科で最も多いのは、「脳梗塞」でエダラボン(脳保護剤)が投与された症例です。
2番目に多い症例の「パーキンソン病」は、主に40歳から50歳以降に発症し、ゆっくりと進行する原因不明の神経変性疾患です。

 

■皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 17 9.88 8.97 0.00% 75.06
080011xx99xxxx 急性膿皮症 15 9.80 11.97 0.00% 56.80
080190xxxxxxxx 脱毛症

 最も多い「帯状疱疹」は、痛みを伴う紅斑や水泡を症状とする疾患ですが、早期診断、早期治療を行わないと潰瘍となり、瘢痕を残したり疱疹後神経痛が持続する可能性が高くなります。
2番目の「急性膿皮症」は主に細菌感染による蜂窩織炎で、高熱を伴ったり、外来治療では十分な治療を行えない重症患者の入院治療を行っております。
続いて、「脱毛症」に対しステロイドパルス療法目的に入院する症例も多くあります。

 

■泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 42 6.17 7.59 0.00% 75.69
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等  手術・処置等2なし 副傷病 なし 33 17.85 14.03 0.00% 68.18
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし 30 12.20 12.60 3.33% 77.47

 泌尿器科で最も多く行われているのは、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)です。TUR-Btは、膀胱癌に対し、尿道から内視鏡を挿入して、電気メスで腫瘍を切除する方法です。腫瘍の膀胱壁への深達度なども評価します。
2番目は、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術です。前立腺癌の症例に対し、根治目的に腹腔鏡を用いて前立腺を全摘する手術です。当院はこの手術を行うために必要となる施設基準を満たしており、地域他医療機関からの紹介も受けています。
3番目は、腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術です。この手術は、腎癌、尿管癌等の症例を対象に根治目的に行われます。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 12 16 21 27 1 7
大腸癌 13 24 29 1 7
乳癌 25 1 7
肺癌 32 27 1 7
肝癌 15 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 がんの治療は内視鏡・腹腔鏡・胸腔鏡をはじめとする低侵襲治療から開腹手術、抗がん剤治療、放射線治療など多岐にわたっております。抗がん剤治療では短期入院を繰り返す例も多く、初回治療ならばその入院回数が全て初発に計上されております。
 当院は近隣の医療機関と密接な連携を保ちつつ、石川県地域がん診療連携協力病院として社会へ貢献することを通して、患者さんが安心して治療を受けられるよう、スタッフ一丸となって診療に当たっております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 26 15.27 52.46
重症度 1 78 18.83 80.05
重症度 2 64 23.95 82.03
重症度 3 20 29.50 83.00
重症度 4
重症度 5
不明

 当院では中等症肺炎(重症度1および2)症例が最も多く、全体の72%を占めています。
また、高齢者肺炎症例が多く、特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者様は繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。
高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗生剤の使用のみでなく、酸素投与などの支持療法も大切となります。

脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群
I63$ 脳梗塞 3日以内 159 39.97 76.15 30.19%
その他 25 60.92 74.08 20.00%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症>
I679 脳血管疾患,詳細不明

 脳梗塞入院は国際統計分類(ICD‐10)として、I63$(脳梗塞)と分類されます。
発症して早期に入院される患者様がほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の
約84%と高率となっております。平均年齢は75歳で、高齢者の方が多くなっております。
 能登北部医療圏も含めた脳卒中地域連携クリニカルパスを有効に運用し、病診連携を進めています。

診療科別主要手術別患者数等
(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード

■内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 32 3.69 19.47 6.25% 67.78
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 26 3.31 11.54 0.00% 75.85
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 26 2.88 21.65 0.00% 69.54

内科(消化器内科)では吐血の症例等に対する「内視鏡的消化管止血術」が最も多くなっています。
「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」も多く行われている手術です。ESDは、消化器の早期癌に対して、内視鏡的に消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。
同じく、胆石や胆管癌などの胆道疾患に対して行われる手術である「内視鏡的胆道ステント留置術」の症例数が多くなっています。狭くなっている胆道にチューブを挿入して拡張し、胆汁の流れを良くする手術です。

 

■循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 34 0.88 4.91 0.00% 76.53
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 24 0.08 15.75 0.00% 64.00
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 24 4.08 5.67 0.00% 71.13

 循環器内科では、下肢閉塞性動脈硬化症に対してステントを挿入し血管を拡張する手術が最も多くなっています。
次いで、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症等)に対する「経皮的冠動脈ステント留置術」に代表される心臓カテーテル治療の症例数が多くなっています。
心臓カテーテル治療とは、腕や足の血管から心臓まで管を通して病変を治療する方法です。

 

■小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7151 腸重積症整復術(非観血的)
K300 鼓膜切開術

 小児科の入院症例で手術として扱われるものは、腸重積症に対する、高圧浣腸を用いた「非観血的整復術」や、
中耳炎などで排膿を目的とした「鼓膜切開術」などがあります。

 

■外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 69 1.23 4.77 2.90% 70.00
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 37 3.03 7.08 0.00% 63.16
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 15 3.93 20.27 0.00% 76.53

 外科の手術件数は「鼠径ヘルニア手術」が最も多くなっています。鼠径ヘルニアは一般的に「脱腸」とよばれるものです。ほとんどが予定入院ですが、ヘルニア部分が飛び出たまま戻らなくなった場合は、緊急手術が必要となります。
次いで胆嚢結石症等に対する「腹腔鏡下胆嚢摘出術」が多くなっています。基本的には胆嚢摘出術は腹腔鏡を用いて行っており、開腹手術の場合より体への負担は軽減され、術後日数の短縮にもつながっています。
3番目には、大腸癌等に対する「結腸切除術」が多くなっています。

 

■整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 44 5.64 44.43 22.73% 82.43
K0821 人工関節置換術(膝) 24 1.75 35.42 4.17% 74.79
K0462 骨折観血的手術(前腕) 23 1.52 15.87 4.35% 69.00

整形外科で最も多い手術は「骨折観血的手術」です。こちらの手術は骨折部位の骨接合を行う手術となっています。最も多い部位は、大腿骨、続いて前腕となっています。次いで、「膝人工関節置換術」が多くなっています。こちらの手術は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節を、人工膝関節で入れ替え、歩行能力の改善を図るものです。

 

■形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満)
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)

 形成外科では、粉瘤・脂肪腫等の「腫瘍切除術」が最も多く行われています。
次いで件数の多い「デブリードマン手術」とは、熱傷等により発生した感染、壊死組織を除去し、患部を清浄化すること で他の組織への影響を防ぐ外科処置のことです。3番目には、眼瞼下垂症(まぶたが開きにくくなる)に対する手術が多く行われています。

 

■脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 5.18 26.59 17.65% 76.18
K1742 水頭症手術(シャント手術)
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)

 脳神経外科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。高齢の方が軽微な頭部外傷を負って1~2か月ほど経過したのちに、歩行障害や認知症様の症状が出現し、受診されることがあり、比較的緊急手術となる場合が多くなります。小さな穿頭で硬膜下に溜まった血腫を洗浄除去します。
次いで水頭症に対し、脳室などの髄液腔内に溜まった髄液を腹腔内等に流すシャント術が多く行われています。
3番目の手術は、脳動脈瘤の破裂による出血を防ぐために、瘤内に入る血流を遮断する手術です。すでに破裂し、くも膜下出血をきたした場合の再出血予防として行う手術が多いのですが、未破裂で手術を行う場合もあります。動脈瘤の頸部に専用の特殊金属性のクリップをかけ、血流遮断を行います

 

■産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 24 1.13 8.13 0.00% 49.33
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 22 4.86 8.14 0.00% 33.77
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 16 0.13 0.06 0.00% 34.38

 産婦人科で最も多い手術は、子宮筋腫・子宮癌等に対する「子宮全摘術」となっています。
2番目は「帝王切開術」、3番目は、「流産」の処置となります。

 

■眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 35 1.00 2.03 0.00% 74.74
K214 霰粒腫摘出術
K224 翼状片手術(弁の移植を要する)

 

■耳鼻いんこう科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 12 1.00 7.33 0.00% 14.42
K368 扁桃周囲膿瘍切開術
K3892 声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡)

 耳鼻いんこう科で最も多い手術は、扁桃肥大・慢性扁桃炎等に対して行われる「口蓋扁桃摘出術」です。
若年層で行われる事が多く、平均年齢は14.4歳と低くなっています。
次に、「扁桃周囲膿瘍切開術」、「声帯ポリープ切除術」が多く行われています。

 

■神経内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)

 神経内科では、「胃瘻造設術」が行われています。
脳疾患の患者様は重症の場合では嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎を併発しやすくなるため、胃瘻造設術の件数が多くなっています。

 

■皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満)

 皮膚科では、「皮膚・皮下腫瘍摘出術」が行われています。
皮膚科で行う手術は他科退院の症例に対して行われる場合が複数ありますので、表に示される症例は上記のみとなっています。

 

■泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 39 1.00 4.13 0.00% 76.15
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 33 3.00 16.73 0.00% 68.45
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 14 1.71 10.07 0.00% 72.36

 泌尿器科で最も多く行われているのは、「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)」です。TUR-Btは、膀胱癌に対し、尿道から内視鏡を挿入して、電気メスで腫瘍を切除する方法です。腫瘍の膀胱壁への深達度なども評価します。
2番目は、「腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術」です。前立腺癌の症例に対し、根治目的に腹腔鏡を用いて前立腺を全摘する手術です。当院はこの手術を行うために必要となる施設基準を満たしており、地域他医療機関からの紹介も受けています。
3番目は、「腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術」です。この手術は、腎癌、尿管癌等の症例を対象に根治目的に行われます。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 26 0.42%
180010 敗血症 同一 14 0.23%
異なる 17 0.27%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 23 0.37%
異なる

 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべき病名について、
入院契機となった病名との同一性の有無を区別して、患者数と発症率を示しました。

更新履歴
2016.09.13

 

 



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