病院事業管理者ごあいさつ

令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
コロナ禍がようやく落ち着いた矢先の令和6(2024)年1月1日16時10分、能登半島地震が発生し、当院も震度6強に見舞われました。病院運営にとって生命線ともいえる貯水槽が破断してしまいました。応急処置で貯水ができるようになりましたが、七尾市内の断水により約1か月間は、全国から駆けつけていただいた給水車によってなんとか病院の最小限の機能は維持できました。透析・手術・内視鏡検査などが一部できなくなり、患者さんには大変なご迷惑をおかけしました。震災のときこそ、負傷した患者さんの治療に当たるべき地域の基幹病院として大変申し訳ない思いでいっぱいでした。気持ちを新たに、災害に強い病院に向け、取り組んでいく所存です。今回、多くの患者さんを転送していただいた全国のDMAT隊、患者さんを受け入れていただいた金沢以南の病院のご支援、ご協力に改めて感謝申し上げます。

当院は県内に2つある救命救急センター(3次救急)の1つを、県立中央病院(金沢市)と連携して担当しています。私達は、能登半島全域に目を向け、発災後、「断らない救急の最後の砦」との思いをさらに強くし、“自分たちがなすべきミッション”を常に意識し、日々、使命感をもって業務に取り組んでいます。

脳外科医3名、小児科医5名、精神科医5名と、能登半島では唯一の充実した医療チームで、脳卒中スクランブル、小児救急、精神科リエゾン・デイケア、DMAT活動などにも力を入れています。また、臨床医学研究に力を入れると同時に、CTperfusion装置の導入、400床以上の病院として全国初のクラウド型電子カルテ(HX-Cloud)の導入、今年は手術用ロボットを最新型に更新するなど、地方においても高度急性期病院としての高品質の医療を提供できるよう努めています。

「医療はサイエンスが5割、ヒューマニティーが5割」とは、聖路加病院の日野原重明医師がよくおっしゃっていた言葉です。人間味にあふれ、マニュアルにとらわれない温かみのある医療サービスを提供できる病院を目指し、職員一丸となって、これからも成長を続けていきたいと考えています。

令和6年4月 公立能登総合病院 七尾市病院事業管理者 吉村光弘



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