病院事業管理者ごあいさつ
石川県に2つある救命救急センターは、県立中央病院と公立能登総合病院が担当しています。当院は能登地域が担当エリアで、ドクターヘリは能登北部から年間約50機飛来し、救急車は能登北部から120台、能登中部から2,000台が毎年やってきます。当院は3次救急病院ですので、能登北部からは心筋梗塞や脳血管障害、交通事故など緊急性の高い重症者が多かったのですが、ドクターヘリが導入されてからは、それまで救急車で90分以上かかっていた能登北部からの搬送が10分ほどに短縮されました。能登半島全体に目を向けた「断らない救急の最後の砦」として、自分たちは何をすべきか、常にそのミッションに熱意を持って対処しています。
また、高度急性期病院としても質の高い医療を提供できるよう臨床医学研究に力を入れ、オンライン研修会やeラーニング動画などを取り入れての自主研鑽による生涯学習の充実にも力を入れています。同時に、働き方改革をいち早く進め、医師や看護師にも十分な休養を取ってもらうことで医療事故防止にもつなげられるようにと考えています。
この他にも、能登地域最大の看護師10名からなる訪問看護ステーションを併設して、地方では難しい在宅診療、精神科デイケアにも取り組み、住民の皆さんにできるだけ長く自宅で暮らしていただけるよう支援しています。
「医療はサイエンスが5割、ヒューマニティーが5割」とは聖路加病院の日野原重明さんがよく言われていた言葉です。人間味にあふれ、マニュアルにとらわれない温かみのある医療サービスを提供できる病院を目指して、これからも成長を続けていきたいと考えています。
令和4年4月 公立能登総合病院 七尾市病院事業管理者 吉村光弘